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2020.10.28

第一期卒業生が語るスクールとの歩み・その後の活動について


グローアドッグトレーナーズスクール

「少人数制指導で、多くの犬に触れ合えることが特色の学校」

私が入学したのは20年前、第1期生になります。入学する前にいろんな専門学校のパンフレットを取り寄せましたが、グローアドッグトレーナーズスクールはよそとは全然違っていましたね。一番の違いは少人数制。その時入学したのは私一人でした。そしていろんな種類の犬に触らせてもらえることです。扱う犬種は小型犬から大型犬までさまざまで、年齢も子犬から老犬まで幅広いことが特徴で、その2つが大きな違いでしたね。

「体験の幅が広がるカリキュラム」

入学した時はラブラドールとシェパードの担当犬を持たせてもらいました。実習では、老犬の食事介助などの世話などもしました。犬種によって性質は違うので、訓練士になるにはいろんな犬に触れ合うことがとても大事。その点、さまざまな犬がいる私たちのスクールは体験の幅が広がることが大きなメリットです。お世話も管理面だけでないですし、訓練するのも一頭だけではないので体験の引き出しが増えるという強みがあります。

「生徒一人ひとりの方向性に沿った指導」

授業では、生徒がどんな訓練士になりたいのか、一人ひとりの希望や適性に沿って指導してくれます。たとえば私はスクールに入る前の大学時代、介助犬の育成団体のボランティアに参加したり、救助犬の募金活動などもやったりしました。そんな分野の犬に関心があるという話をしていたことから、関連あるジャンルのイベントがあれば連れて行ってもらえたりしましたね。イベントでは、実際のパフォーマンスを見ることが勉強になりました。その後私はここの訓練所に就職。就職後に訓練資格を得て、今は勤めながらいろんな活動にたずさわっています。生駒警察犬訓練所の業務以外でも家庭犬などの仕事をしたり、現在は独立して自分のドッグスクールを経営したりしています。

日本サポートドッグ協会」の立ち上げに参画

現在「日本サポートドッグ協会」の事務局長をやっています。この団体は介助犬の育成組織。グローアドッグトレーナーズスクールの阿部明子校長が理事長を勤めています。協会では、体が不自由な人のための介助犬、耳が不自由な人のための聴導犬を育成しています。協会の立ち上げ時期は私がスクールを卒業するころ。以前ほかの育成団体のお手伝いをしていたこともあって、この協会の設立にはいちから参加しています。

「日本サポートドッグ協会」の活動について

私たちの協会は、非営利団体としては数多く訓練犬を輩出することができ、お陰さまで全国でも有数の団体に成長しました。ひとえに阿部理事長の人望ですね。(笑)でも、正直言って運営はとても大変です。寄付などに頼っていますが、これもコロナの影響で活動が制限されているという現実があります。活動の柱だった募金や講演活動ができなくなったことを背景に、今はクラウドファンディングに挑戦。大変ですが、協会の立ち上げから20年近く、今までも手探りでさまざまな困難に挑戦してきました。これからもいろんなことがあると思いますが、とにかくやるしかない。その都度工夫をしながら乗り越えていきたいと思います。

「介助犬の認知を広げたい」

もともと私が介助犬に興味を持ったのは、子どもの時に見たテレビのドキュメンタリーがきっかけです。日本で初めて介助犬を紹介した番組を見て、「介助犬なんてあるんだ」って思いました。私たちの協会が育成する介助犬や聴導犬は、当時は盲導犬ほど知られていませんでした。ですが平成14年、協会立ち上げの時期に身体障害者補助犬法が成立。犬を育成する団体、利用者、施設や交通機関、店舗などに対し運営ガイドラインが定められました。その法案成立の流れに乗れたことは協会にとって幸運だったと思います。ただ、当時よりは介助犬・聴導犬の認知が進んでいるとはいえ、まだまだとも感じています。飲食店で従業員さんが知らないために入店を拒否されるなど…。育成はもちろん、啓発活動も大切だと痛感しています。介助犬は盲導犬ほど頭数が多くないので、数を増やしながら認知を広げていけたらと思っています。

「訓練犬は世の中に出てからがスタート」

私たちの学校の強みは、犬の実働の現場を見られることや、実際の利用者さんの声をフィードバックできること。学生だけで勉強する専門学校でなく、先輩訓練士の仕事ぶりや、現場に出てからの課題を見ることができるので実践的に学ぶことができます。またスクールと協会は、お互いに育成の手伝いや合同練習もしています。これらの環境が体験の幅を広げることに役立っています。
訓練犬は、育てることはもちろん大事ですが、世に出てからが本当のスタート。世間で実際に働くことの責任はとても大きく、それだけやりがいがある仕事です。子どもの時の私は第3者としてテレビを見ていましたが、関心を持って行動を重ねることで育成する立場に来ることができました。もっともっと私たちの活動を知ってもらえるよう頑張りたいですし、興味のある方は思い切ってぜひ飛び込んでみてほしいです。